◆日時: 平成15年9月16日(月)9:00-16:30 (参加費無料、事前申込み不要)
◆場所: 東京大学工学部8号館 (教授会室)
工学部ニュース(掲載予定)
International Meeting Series of School of Engineering, The University of Tokyo (se-ut 0302) 21世紀COEプログラム「強相関物理工学」スタンフォード大学-東京大学・応用物理学アライアンスシンポジウム「量子相関とコヒーレンス」開催される。
平成15年9月16日に東京大学山上会館において標記のシンポジウムを開催した。
これは、本年度にスタートした21世紀COEプログラム「強相関物理工学」(代表:十倉好紀教授、物理工学専攻)の活動の一貫として、スタンフォード大学の応用物理学科と本学工学系研究科
物理工学専攻が研究教育の連携のために進めている応用物理学アライアンスの事業として行われた。21世紀COEプログラム「強相関物理工学」では多数の自由度が強く相互作用する場の中で
多体系に発現する多彩な物理現象を工学として利用するための道筋を明らかにすることを目指した研究・教育を推進する。 今回はその中で、光と物質の相互作用を巧みに利用して、物質系や
光の場に量子力学的な相関をもたらしさらにそれを制御することを ねらいとする研究に焦点をあてた。物質系および光の場に発現する量子力学的な相関は、量子情報技術の根幹を担うもので
あり、それを自在に制御する手法を開拓することは、量子情報技術を現実の技術とするためのスタート地点である。そこでは、熱的な擾乱を断つ為に、多粒子系と環境との相互作用を厳密に
制御し量子力学的な相関とコヒーレンスを保つことが必要となる。
シンポジウムは大垣真一郎工学系研究科長の挨拶に始まり、スタンフォード大学と東京大学の研究者を中心とするこの分野をリードする日米の研究者による
講演が行われた。 トピックスは、中性原子をナノケルビンの極低温に冷却する新しい手法とその極限計測への応用、極低温原子と固体表面との相互作用、分子気体を極低温に冷却する新しい技術、フォトンを一つづつ操作する技術、フォトンの量子力学的な状態を伝送し再生する手法などで あった。 また、中性原子のレーザー冷却法の開拓によって1997年にノーベル物理学賞を
受賞しているスタンフォード大学のChu教授は、レーザー技術を駆使した単一分子計測法を用いて蛋白質合成の仕組み解明に向けた最新の実験について紹介した。シンポジウムは約120名の
参加者を得て盛況のうちに終了した。 尚、今回の講演者はこの会議の後に引き続き行われた、レーザー分光及び量子エレクトロニクスに関する日米セミナー
(主催;日本学術振興会と米国NSF、幹事;ハーバード大学John Doyle教授、東京大学五神)の為に来日したものである。
五神真(シンポジウム幹事)
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(1) 大垣研究科長による開会の挨拶
(2) 講演するスタンフォード大学Steven Chu教授